「花の名前」(2)(3)斎藤けん 白泉社
一巻が出た時、大絶賛したこの作品ですが、
なにげにもう3巻まで出ています。勿論、即getです。
2巻の時は忙しくて書けなかったのとしっかり書きたくて
保留にしてたら、タイミングが(^^;とほ
さて、ちょい不幸気味な主人公蝶子さんと、ちょっと古風で
文学作家の京さん。そんな二人が一つ屋根で暮らすように
なってからの生活が描かれています。
やー、なんか危うい空気(そっち行ったら将来辛いよ?
不幸かもだよ?的な)が見え隠れしつつ、でも蝶子ちゃんの
はかなげながらもイイ表情とボケで癒やされます。
そして京さんも序々にうち解けていって―――な感じで
すこしずつ、ちょっと切なくも優しく進んでいくのが
とても好みです。
2巻では大学2年になり、ふとした偶然からサークルに
入る事になる蝶子さんなのですが、そのサークルが
大正文士の会だという(^^; まぁ理解するにもイイ感じで。
それに、何かしら追い詰められる事があっても、
この方面で蝶子さんが発散できれば―――な感じですが、
まぁ二人だけ(秋山さんいたけど)の世界の重苦しくも
ちょっと切ないけどどこか優しい世界のようだった1巻と比べ
2巻はちょっと解放された明るい作品になったようです。
や、これはこれでイイ感じですね。
まぁサークルメンバーも引っかき回してるワケではなく
ムードメーカーっていうか、一方で作品の空気を
明るくしてる感じで、そこが京さん含め、澱みそうになる
空気を少し進めているような、そんな気がします。
でも、最後の最後に出てきた、なんか昔の女みたいなのが!
気になる!気になるよ!―――な2巻の締めでしたが(^^;
そしてそんな気になってた3巻。京さんは蝶子さんの元を去り
その女の元へ。そして蝶子さんは―――わー、静かに
揺れる日常が、、、でも、どこかに微かな希望が
残ったままで時間が止まり―――蝶子さんが、、、。
でも秋山さんの奮闘で、再び時間が動き始める。
正直ほっとしました。お互いに臆病で怖がりで
どこか刹那的で―――でも、もうどうしようもないくらい
惹かれあってて―――そしてようやく。
京さんの過去にああいう事があって、色々な事に臆病に
なっていたんだろうけど、これからは蝶子さんが
支えてくれる―――いや、お互いにお互いを支え合って
生きてゆける。そんなラストに深い息を吐いてしまいました。
やー、ほんと良かった。そしてこの二人ならではの日常。
蝶子さん、がんばるって?がんばるってーっ!?(>_<)(笑)
ふぅ。いろいろあって、でも地が固まってほんと良かったです。
この作品は、あらすじや設定だけみると、作者によっては
本気で陰々鬱々するんだろうなぁって感じなのですが、
実際何度も読んでみて、作品全体の根底にある
“優しさ”とか“希望”とかを感じさせるところがあって
そういうところは多分、作者さん自身の性格が作品に
滲み出てるんだろうなぁって気がします。
そうでなきゃここまで読んでないよ(^^;
本来、あまりドロドロとした作品は好みじゃないし。
合間合間に描かれるコミカルな表現とかからも
そう感じます。
にしても、蝶子さんはマジ可愛いなぁ(*´ー`)
弱いところもあるけど、強いところもあるし。
自分なりに一所懸命で、とってもイイ娘です。
あの京さんのローな感情も包み込んでくれそうだし。
あー、ほんと、好きです、この作品(^^)
そういや、丁度区切りのイイとこでまた終わってるけど
連載は終わったのだろうか―――ああ、まだやってるみたい。
ふむ、続きが楽しみな作品です(^^)
- 作者: 斎藤けん
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